朴槿令氏発言にみる民度


地球だより

 朴槿恵大統領の妹、朴槿令氏がネット動画でいわゆる従軍慰安婦問題について「隣人(日本)を責め続けるな」と言ったり、靖国神社参拝で韓国が日本を批判するのは「内政干渉」などと語った問題。その「親日」ぶりは日本で大いに話題となる一方、韓国では物議を醸しているが、面白いと思ったのは槿令氏の夫君がラジオ番組で、妻の「親日」発言は「韓国が完全に民主化された証拠」と指摘したことだ。

 恐らく夫君は、親日派が社会的に抹殺される韓国で、しかも「軍国主義復活」を進める安倍政権による戦後70年談話に神経をとがらせているこの時に、大統領自身が最も警戒してきた「親日」発言をあれだけおおっぴらにできること自体が韓国社会の民度の高さ――と言いたかったのだと推察する。発言後、世間の槿令氏への風当たりは強く、どちらかと言えば「変わり者」扱いされているから、この主張は的を射ているとは言い難い。

 だが、韓国のように「親日世論」がタブー視される社会では、むしろ槿令氏のような韓国版自虐史観が口々に語られるくらいが本当はちょうどいい民度なのでは?とは思う。過去の「親日」発言が問題視されて首相内定を辞退したり、「嫌韓論調」で突っ走る日本のマスコミの記事が大統領へ の名誉毀損だとして訴えられたり…。決して自虐史観を肯定するものではないが、この国では少しは許されてもいい(?)。

(U)