手土産も善し悪し ー韓国から
こちらでは誰かに会いに行く時、ちょっとした手土産が必要なことが多い。名節の旧正月や秋夕(旧暦8月15日)でなくても、親戚の家や実家に帰る時でさえ果物1箱や韓牛セットなどを持って行く人は結構いる。持って行かないと「なんだ手ぶらか」とガッカリした顔をされたりする。田舎で一人暮らしをする母親の家に行く時は、必ず近所の親戚の分まで持って行く知人がいるが、彼曰(いわ)く「母親と仲良く付き合ってほしいから」だそうだ。
筆者も韓国暮らしが長くなるにつれ、手土産文化に従うようになってきた。韓国では取材先に手土産を持っていく習慣はないが、お礼の気持ちを込めてちょっとした飲み物などを持って行くと、それだけで相手の心が開くことがよくあった。フランスに留学したことがある研究者を取材した時にはワインを持参したが、「よくワイン好きだと分かったね~」と大喜びされた。取材がうまくいったのは言うまでもない。
ただし、メイド・イン・ジャパンの土産物には注意が必要だ。最初は何気なしに和菓子などを持って行ったが、そのうち「どうせなら湿布剤の方が…」とやんわり言われたこともある。健康志向が強く、サプリメントや薬の方が喜ばれることが分かった。
韓国大統領も今、手土産に思いを巡らしているかもしれない。またしても北朝鮮側と首脳会談をやろうとしているからだ。記者仲間とは「北にガッカリされない手土産の中身は何か」で話が持ち切りになった。(U)