銀行マンは庶民の味方ー韓国から


地球だより

 マイホーム購入はこちらでも多くの人にとって人生の目標の一つだ。だが、新婚世帯や庶民にとってはまだ「高嶺の花」。特に首都圏では近年の不動産価格高騰でハードルは高くなるばかりだ。そこでいきなり買うより、まずは賃貸住宅で暮らす世帯が多い。

 少ない保証金と毎月の家賃を大家に支払う「月貰(ウォルセ)」、月払いはないが保証金がぐっと高くなる「伝貰(チョンセ)」の2種類あって、保証金のため融資を受けたりする。

 以前、銀行マンに融資で助けられたという実体験をソウルに住む女性から聞いたことがある。女性は月貰よりもっと間取りが広い伝貰に引っ越すため、近くの銀行支店を尋ねた。「あの男性行員は親切」という噂を頼りにその行員に伝貰用融資を申し込んだ。

 するとまだ審査も終わらないうちに「ご融資しますね」。行員は間もなく別の支店に転勤してしまったが、なんと融資書類を全て持って行き、そこで融資を通してくれた。

 元手がなく困っていた女性は大喜び。数年後、もっと広いマンションの伝貰契約を結ぶため、今度は店舗に常勤せずフリーな立場で融資相談に乗る女性行員を紹介され、訪ねて行くと、少し話をした後に融資を快諾され、無事マンションに入居できた。職場の同僚もその話を聞いて同じように申し込んだが、なぜか断られたという。

 「長年の勘で融資案件を裁くなんてカッコいいわ」と、女性は自分の幸運をかみ締めていた。

(U)