「K防疫」危うし!ー韓国から


地球だより

 新年を迎え、明るい話題を紹介したいところだが、巷(ちまた)ではどうしてもコロナをどう克服するのかという話で持ち切りだ。こちらの保健当局も「手洗い、マスク着用、ソーシャル・ディスタンス」を個々人が徹底することが何より大事と繰り返し呼び掛けているが、1日の感染者数が全国で千人を超える日もあり、感染拡大の勢いはなかなか止まらない。

 それでもコロナへの警戒心は日本の比ではない。先日、所用で出向いた高層ビルでうっかりしてマスクをせずにエレベーターに乗った。1階に着きドアが開くと、乗ろうとして待っていた若い女性が筆者の顔を凝視。

 次の瞬間180度向きを変え反対側のエレベーターに乗った。ノーマスクの人が乗ったエレベーターは危険、と咄嗟(とっさ)に判断したのだ。

 飲食店では店側が客にノートへの個人情報記入を催促してくる。入店の時刻、名前、携帯電話の番号などを書いてもらう。いざというとき、感染経路の割り出しに役立てる狙いだ。

 ただ、地下鉄の車内は様子が異なる。寒さの折、車窓が開いている様子もない中、出退勤の時間は横一列7人掛けの長椅子に7人が座るぎゅうぎゅう状態。営業時短が義務付けられている飲食店は夜8時半になると客に帰宅を促し、その結果、夜9時前後の繁華街に近い地下鉄駅発着の車内は酔客たちでぎゅうぎゅう。周囲を憚(はばかる)ることなく大声でしゃべる中年男性たちも珍しくない。お国が誇る「K防疫」だが、危うい場面も結構ある。

(U)