過半数が「接種しない」ーフランスから


地球だより

 英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が開始され、フランス政府も医療従事者や重症化しやすい高齢者には年末、遅くとも年始には接種を始める方針を明らかにした。ところが「接種する」というフランス人は半数しかいないことが明らかになった。

 フランス政府が11月に実施した18歳以上の男女2000人を対象にした調査結果では、ワクチンを「接種する」と答えた人は53%、仏民間調査会社IFOPの調査では「接種しない」と答えた人の割合は61%に上った。

 フランス人は未知のものに飛び付かないことで知られている。例えば電気自動車(EV)普及率は10月の調査でドイツの8%台に比べ、5%台と低い。フランス人の友人はいまだにウィンドウズ7の古いノートパソコンを使い、安全ではないと忠告しても買い替えようとする気配はない。

 仏公共放送フランス2など複数メディアは「ワクチン接種は慎重であるべき」「勧められない」など専門家のネガティブな意見のオンパレード。接種しようとしていた人も慎重にならざるを得ないような伝え方だ。

 しかし、フランス人はいったんいいと分かれば、驚くほどなんでも加速し、時には暴走する性格も持ち合わせているので、来年のワクチンの接種状況はなんともいえない。それより今はクリスマスのことで頭がいっぱいだ。

 クリスマスイブの24日だけは外出禁止措置も除外されるとしているが、6人以上集まることは自粛が要請されている。問題は無症状の若者が大人数のパーティーを我慢できるかだ。

(A)