長寿の秘訣はチーズ?ースイスから
地球だより
欧州連合(EU)統計局が最近公表した統計(2018年度)によると、EUの平均寿命は81歳、男性は78・2歳、女性は83・7歳だ。アルプスの小国スイスはEU加盟国ではないが、日本に次ぐ長寿国として有名だ。19年の平均寿命は83・8歳でEUの平均値を上回っている。スイスインフォによると、スイスでも地域によって寿命が少し異なる。西部レマン湖地域の住民の寿命は北西部より少し長いという。
興味深い点は、スイス人の長寿の秘訣(ひけつ)が、物質的な豊かさ、幸福度のほか、スイスチーズを多く食べる食生活にあるということだ。スイスのチーズといえば、エメンタールやアッぺンツェラーがよく知られる。欧州に住み始めて間もない頃、デンマークのコペンハーゲンのチーズ専門店に入ったことがあった。その瞬間、チーズの匂い(当たり前だが)に包まれ、苦しくなって直ぐに飛び出した。チーズには独特の匂いを放つものが少なくない。慣れていなかった記者は、その匂いに耐えられなかったのだ。
欧州に長く住んでいると、いろいろなチーズを食べる機会もあって、次第にチーズの美味しさが分かってきた。その切っ掛けを提供してくれたのはスイス製のエメンタールチーズだ。
スイスのチーズは穴があることで知られている。チーズの原材料・牛乳に含まれる微量の干し草の影響だという。ただし、チーズ製造が完全に機械化された現在、干し草が製造工程に入ることはないため、最近のスイスチーズは穴が開いていない。
(O)