PC配達サービスが登場ー韓国から


地球だより

 若者を中心にオンラインゲーム好きが多い韓国には、街の至る所に「PC房(バン)」と呼ばれるネットカフェがある。その多くは雑居ビルの一角に陣取り、高性能コンピューターをズラリと並べて営業している。

 料金はだいたい1時間当たり百数十円の安さ。放課後の時間帯は友達連れの学生、夜は仕事帰りのサラリーマンの姿が多い。近年はチーム対戦型のバトル物が人気だといい、興じれば3、4時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。

 ところが、今年はコロナ禍でPC房も経営不振だ。窓を閉め切り、隣同士が近い椅子に大勢が座り、グループでワイワイやるという「3密」の条件をすべて備えた場所であるため、カラオケ店などと共に営業停止に追い込まれたからだ。

 そこで生き残りを懸けて始めたのがデリバリーサービスだ。もともと利用者向けに売っていた軽食だけでは売り上げが伸びず、ついには店内に設置してあるパソコンそのものを配達するサービスが登場した。

 希望する日時にパソコン本体はもちろんゲーム専用モニター、マウス、ヘッドフォンなど一式を直接配達する。ある店ではサービスを始めて最初の1週間で50台の利用があったといい、オンライン授業やテレワークなどでストレスが溜まっている人たちの需要でさらに利用者増が見込まれるという。

 ただ、自宅でゲームをやり過ぎると、母親や妻の小言が聞こえてくるというもの。いくら便利でも思い切り楽しむにはやはりお店が一番だ。

(U)