封鎖緩和でも若者に悲観論


地球だより

 フランスは8週間にわたる外出禁止措置が今月11日から段階的に解除され、使い捨てマスクの路上ポイ捨てや、偽アルコール消毒液の販売などさまざまな問題が浮上。SNSにはリヨン市内の路上にマスクやビニール手袋が捨てられている写真が投稿された。

 今月初めに行われた仏世論調査会社、オピニオンウェイによる若者向けの調査では、経済的に追い詰められた状況の中、大半の若者が今後「経済が何よりも最優先されるようになるだろう」と予想、人々は助け合うことより「(利己的)個人主義が横行する」と考えている人が、なんと69%に上った。

 さらに52%の人が「社会の格差が広がる」と答え、「政権への不信感」を持つ人は86%にも上った。

 今は社会で賞賛されている極限状態で働く医療従事者や、感染リスクに晒(さら)されながら働くスーパーの店員やトラックの運転手、ごみ収集業者などに対しても、感染がある程度収束すれば、70%の若者は「これらの人たちへの感謝の気持ちは薄れ、彼らの存在は以前のように忘れられるだろう」と答えている。

 それより、疫病で注目を浴びる公衆衛生、健康問題より、外出禁止で綺麗(きれい)になった大都市の空気が経済活動再開で元に戻ることを懸念する声の方が大きい。医療関係者の間で多用され感染防護のビニール製品や一般市民にも使用が広がるビニール手袋など、ビニール、プラスチックごみの急増を懸念する若者は5割に上っている。

(M)