石井 貫太郎
目白大学教授
米中新冷戦時代の到来
去る10月4日に米国のペンス副大統領がハドソン研究所において行った中国に関する演説は、これまでの米中関係をリセットし、中国を米国の敵国として明確に認識するという内容であった。貿易不均衡の是正を目的に始まったこの米中対立…
米朝会談は甚大な成果
米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談がシンガポールで実現してから1カ月が過ぎようとしているが、この間にその成果をめぐってさまざまな議論がなされてきた。例によって、トランプ大統領と険悪な状態に…
平昌五輪後の国際関係 トランプ外交に対抗する中露
北朝鮮化の方策を選択 日本選手たちの華々しい活躍がわれわれの目を楽しませてくれた半面、南北融和の演出が繰り返された平昌五輪も閉幕し、いよいよ国際関係が小康状態を抜け出してきた。 まず、アメリカのトランプ政権が打ち出し…
米大統領アジア歴訪 北の核にトランプ外交徹底
押し切られた習主席 去る11月5日から7日にかけて米国のドナルド・トランプ大統領が来日し、安倍晋三首相と首脳会談を行った。これに先立つ3日から4日にかけては、われわれは同大統領のご令嬢にして補佐官たるイバンカ・トランプ…
トランプ大統領4カ月 帰ってきた「世界の警察官」
発言の裏に光る決断力 トランプ米大統領が就任してから4カ月が経(た)とうとしているが、当初から世界中の多くの人々が彼に抱いていた不安感が少しずつ溶解し始めているように感じられる。おそらくその最大の理由は最近の彼の外交政…
トランプ米政権の登場 リアリズム時代の外交力を
日露協調と日米同盟 昨年12月は、日本外交にとって大きな節目となる出来事が相次いだ。一つ目はロシアのプーチン大統領が来日し、日露協調の進展が見られたことである。 ロシアの立場に立てば、日本は彼らが対立する米国の同盟国…
日露の北方領土交渉 正念場を迎える安倍外交
中国膨張主義と北の核 現在、日本とロシアの関係は新しい局面を迎えようとしている。本年9月2日にウラジオストクで安倍首相とプーチン大統領が会談したのを契機として、12月には同首相の故郷である山口県に同大統領が招待される予…
新孤立主義と日米同盟 次期米大統領に備えよ
「非支持者」動向が鍵に いよいよトランプ大統領の誕生が現実味を帯びてきた。共和党の対立候補たちが撤退し、事実上同党唯一の候補者となったのである。それに比べて民主党のクリントン候補は、いまだにサンダース候補の執拗(しつよ…
トランプ封じ込めの失敗 二極化でメガメディア凋落
豊かな国が格差社会に いわゆるスーパーチューズデイ(3月1日)の結果を受けて、いよいよ米国に「トランプ大統領」の出現が現実味を帯びてきた動向に危機感を抱いた日米のメガメディアは、こぞって反トランプの論陣を張って国民世論…