ブラジルの大手アパレルに奴隷労働の疑い


 ブラジル・サンパウロ州の公共労働検察局は、10日までにブラジル大手のアパレル会社M5 Textilに対して、「奴隷労働」に相当する基準で下請け企業の従業員らを働かせていた疑いがあるとして、最高10年間の販売権停止(サンパウロ州内)と罰金を求める訴えを起こした。

 サンパウロ州の労働裁判所は、すでに500万レアル(約1億7300万円)相当の罰金を同社に科すと決定、同社は控訴等を検討しているという。

 販売権停止の決定が下された場合、奴隷労働禁止法でアパレル商品の販売が停止される初のケースになるという。

 労働者を過酷な状況で働かせる「奴隷労働」に関しては、ブラジルでは過去にも数多くの摘発例があり、2010年には労働省による奴隷労働監査により、9925人の労働者が劣悪な労働環境から救出された例がある。

(サンパウロ綾村悟)