反基地活動家に利用される国連
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
国連が沖縄の反基地闘争の道具として利用されている。
2015年9月、翁長雄志知事がジュネーブの国連欧州本部の人権理事会で演説したのに続いて、沖縄平和運動センター議長の山城博治被告が今月15日、人権理事会で発言した。
山城被告は米軍北部訓練場(東村、国頭村)のヘリコプター離着陸帯建設の抗議活動に伴う威力業務妨害、公務執行妨害、不法侵入、傷害などの複数の容疑で、5カ月間拘束された。
こうした事実があるにもかかわらず、山城被告は「私は沖縄における米軍基地による人権侵害に対し平和的な抗議運動を行っている」と自己弁護し、「日本政府は市民を弾圧し、暴力的に排除するために大規模な警察力を沖縄に派遣した」と訴えた。
沖縄地元2紙の報道もおかしい。山城被告の訴えがまるで世界に届いたかのように報じているからだ。だが実情は異なる。
インターネットテレビのキャスターなどを務める名護市在住の我那覇真子さんは、山城被告に先立ってジュネーブ入りし、彼の主張を鵜呑(うの)みにしないよう参加者にこう警告した。
「沖縄では、地元住民の人権と表現の自由が外からやって来た基地反対活動家や共産革命主義者、さらには偏向したメディアによって脅かされています。彼らは、自分たちの人権と表現の自由を盾に、考えが反対の人たちの人権と表現の自由を抑圧しているのです」
国連特別報告者のデービッド・ケイ氏(米国)は12日、国連人権理事会に提出した報告書で、米軍基地の移設や反対派の排除について批判したが、沖縄で現地調査すらしていない。
山城被告の発言の信憑(しんぴょう)性が揺らいだだけでなく、国連人権理事会の正当性も疑われる結果となった。
(T)