教会の政治活動制限撤廃を、トランプ米大統領が表明
トランプ米大統領は2日、ワシントン市内で開かれた「全米祈祷朝食会」でスピーチし、教会などが政治に関与するのを制限した「ジョンソン修正条項」を撤廃すると表明した。
同条項は、1954年にリンドン・ジョンソン元大統領(当時は上院議員)が主導して制定したもので、教会など非課税の団体・組織が特定の選挙候補者に対して支持・不支持を表明することなどを禁止している。
トランプ氏は朝食会で「ジョンソン修正条項を完全に撤廃し、信仰の代表者が罰せられることを恐れず自由に発言できるようにする。絶対に実行する」と言明。
また「(同条項は)自身の信仰に従って礼拝する権利」に影響を与えているとし、「信教の自由は神聖な権利だが、脅威にさらされている」と主張した。
キリスト教保守派は同条項について、宗教指導者の言論の自由を制限していると強く批判している。
朝食会には宗教指導者や政治家ら3000人以上が出席。トランプ氏が撤廃を表明すると、会場からは大きな拍手が上がった。
トランプ氏は昨年9月にワシントン市内で行われたキリスト教保守派の年次集会「バリューズ・ボーター・サミット」でも「トランプ政権は、これまでに見たことがないほどキリスト教の文化を大切にし、保護する」と述べ、同条項の撤廃を提案していた。
大統領に就任してから撤廃を掲げたのは2日の朝食会が初めてとみられる。法改正には議会の承認が必要となる。
(ワシントン岩城喜之)