為替レート問題で構造調整頓挫させぬ対応を


韓国紙セゲイルボ

 日本の量的緩和政策に対して、日本の立場を擁護してきた米国に変化が感知される。米国金利引き上げが予定より遅れ、国際金融市場で円高が進み、日本政策当局が介入しようとする動きを見せると、米国は明らかな警告メッセージを送った。

 もちろんこれは中国を意識してのことである。中国当局が人民元を思うままに調節している状況を放置しないとなれば、日本だけを例外的に放っておくことはできないからだ。アジアインフラ投資銀行(AIIB)スタート等、中国の影響力が増大している状況で、中国を牽制(けんせい)しようとする意図で為替レート問題を牽制用カードとして使っており、このような渦中で日本に対する立場にも変化が感知されているのだ。

 日本はマイナス金利政策を拡大するなどアベノミクス政策を持続的に推進するだろうが、円高傾向に対して過去のように本格的に手をつけることは難しくなるだろう。

 このようになれば韓国も難しくなる可能性が高い。米国が日本に対してまで為替レート問題で警告を送る状況で、韓国が例外であることはできないからだ。

 米国はいわゆる「為替レートのスーパー301条」と呼ばれるベネット・ハッチ・カーパー(BHC)法で為替レート操作国に対する報復措置を明文化している。

 経常収支黒字を持続させ、外国為替保有額を十分に積まなければならない韓国としてはウォン高は致命的でありうる。政府が本格介入するのは難しくなるため、多様な対策を講じる必要がある。

 景気が予想外に振るわず、構造調整が本格化する局面で為替レート問題で構造調整を頓挫させないよう、あらかじめ対応を急ぐ時だ。

(尹暢賢(ユンチャンヒョン)ソウル市立大教授、4月25日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。