県の防災訓練に米軍初参加
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
沖縄県は6日、米海兵隊参加による総合防災訓練を宮古島市および多良間村で実施した。
今回の訓練について県庁は「大規模な地震災害の発生を想定した様々な避難訓練や救助訓練、私たちの生活に不可欠な電話、電力、水道設備の復旧訓練など多くの機関による総合的な訓練」と説明。米海兵隊がオブザーバー以外で訓練に参加するのは今回が初めて。これまで政治的理由から県庁が参加に難色を示してきた。
米海兵隊太平洋基地の幹部は訓練に参加することができたが、当初、参加を予定していた海兵隊航空支援は悪天候のため不参加を余儀なくされた。
仲井真弘多(ひろかず)知事は、訓練開始に当たり「本日は、米軍が初めてこの訓練に参加しています。あらゆる調整を行い、参加してくださったことに感謝いたします」と米軍参加に謝辞を述べた。
合同訓練について海兵隊太平洋基地バトラー基地副司令官のクリストファー・スナイダー大佐は、「単なるシミュレーションや訓練をはるかに超えていた」と評価、シナリオおよび災害対応訓練に感銘を受けた様子だった。バトラー基地政務外交部のロバート・エルドリッジ次長によると、2011年3月の東日本大震災で孤立した気仙沼市大島を海兵隊が支援したことは、今後の離島災害支援の手本となり得るという。
「大島は津波により外部からの援助が断ち切られたが、宮古島を含む沖縄本島周辺にある離島で大きな災害が起きた際には、港や飛行場の機能を失う恐れがある。海兵隊の上陸部隊は港や飛行場がなくとも迅速な救助で大島を支援することができた。こうした機能は離島にとって効果的だ」(T)