関脇御嶽海、目標の2桁勝利へあと1番
苦手高安から執念の白星、終盤の横綱大関戦への弾みに
連敗すれば優勝争いから脱落し、目標の2桁勝利も厳しくなる大事な一番。好不調の波が激しい御嶽海が難敵の元大関を相手に執念を見せ、土俵際で踏みとどまった。
立ち合いは頭からではなく、もろ手突きでいった。高安の圧力にずるずると下がりかけたが、右に回りながらいなして反撃した。すぐに左を差しての寄りで勝負あり。この1年は1勝5敗と分が悪かった相手とあって「最後の最後まで気を抜けなかった」と胸をなで下ろした。
前日、宝富士に敗れた際には「性格的にあっさりしている。欲がない。歯がゆい」と突き放した八角理事長(元横綱北勝海)も、この日は「とにかく勝ったということがいい」と評価。優勝2度の実力がありながら「万年大関候補」を抜け出せない28歳。何度、裏切られても好調時に見せる強さは、再び周囲に期待を抱かせる。
今年はまだ一度しかない、大関とりの足掛かりとなる2桁勝利まであと1勝とし、「自分の立てた目標に向かっていけている」と威勢よく話す。本当の試練となる終盤の横綱大関戦へ、弾みとなる白星になるか。