自分流「ととのい」、プライベートサウナ盛況


テントや完全個室が人気、「日常の中にサウナを提案」

自分流「ととのい」、プライベートサウナ盛況

田沢湖ほとりのテントサウナを楽しむ広瀬雄也さん(左)ら=14日、秋田県仙北市

 新型コロナウイルス禍で「3密」を避け、周囲を気にせず楽しめる貸し切り型のプライベートサウナが人気を集めている。自分流の「ととのい」ができるとあって、完全個室サウナは予約が殺到し、湖が水風呂という大自然満喫のテントサウナも好評だ。

 11月中旬、澄んだ青い湖面に紅葉を映し出す秋田県仙北市の田沢湖畔。テントでは、大学時代の友人同士という東京都在住の広瀬雄也さん(24)、群馬県在住の川島里菜さん(23)、秋田県の戸巻大輔さん(24)が水着姿でまきストーブを囲み、汗を流していた。室温は100~120度。体の芯まで温まると、一目散に目の前の湖へ。水温約15度の水に肩まで漬かって歓声を上げた。

 広瀬さんは「この空間を3人で貸し切れるのはすごい。他では満足できないかも」と病みつきの様子で、川島さんも「新鮮です」とご満悦だ。テントサウナを提供する「タザワコサウナ」の八嶋誠さん(32)は「人に気を使うことなく、自然と一体になれる」と魅力を語る。

 1組2時間制で、昨夏のオープン以来、利用率は8割を超える。当初は若者や愛好家が中心だったが、最近はファミリー層にも利用が広がる。11月いっぱいで営業を一時中断するが、天候に左右されず営業できるよう、来夏にもサウナ小屋にリニューアルする予定だ。

 東京都新宿区では昨年12月、完全個室のフィンランド式「ソロサウナtune」がオープンした。個室にシャワー室や休憩所、脱衣所が完備され、音楽を聞いたり、横になったりとその人に合った「ととのい」ができる。1~3人までの利用が可能で、中でも1人用は常に予約でいっぱいだ。

 店の責任者、遠藤香さんは「人の数だけサウナの入り方がある」と力説し、「日常の中にサウナを提案できたら」と語った。