1億年前の琥珀に幅5ミリの小さいカニを発見
国際チームが完全な形で発見、カニの進化探る手掛かりに
ミャンマー北部カチン州で発掘された約1億年前(白亜紀半ば)の琥珀(こはく)の中に小さいカニがほぼ完全な形で入っているのを発見したと、中国地質大などの国際研究チームが23日までに米科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した。琥珀は樹脂の化石であり、このカニは川や河口に近い森林で樹液に漬かった可能性がある。琥珀からカニが見つかるのは非常に珍しく、カニが海から淡水の川や湖沼、陸上に進出した時期を探る貴重な手掛かりになるという。
このカニは甲羅の幅が2ミリで、両脚を含めた幅が5ミリ。卵からかえって成長途中か、それとも成体かは、はっきりしない。顕微鏡やX線CT(コンピューター断層撮影)装置で調べた結果、「種」の2段階上の「科」のレベルで新しく分類され、学名は白亜紀の水の精と不死を意味する「クレタプサラ・アタナタ」と名付けられた。
カニの進化史上、淡水に生息する種が最初に出現した時期は、DNA解析では約1億3000万年前と推測されるが、過去に見つかった化石は古くても約7500万年前だった。