米メディア「ドラマ演出への嗅覚」 トランプ氏の北朝鮮入り
トランプ氏が現職の米大統領として初めて韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線を越えたことについて、米メディアは30日、一斉に報じた。指導者同士の個人的関係を重視し、“サプライズ”の演出を好むトランプ氏の外交スタイルに改めて焦点が当てられた。CNNテレビ(電子版)は、「米国大統領が世界で最も強固な国境を越えて北朝鮮入りするという可能性はかつて考えられなかっただろう」と指摘。それを実現させたのは、「トランプ氏の個人的な関係を重視する外交スタイルやドラマを演出することへの嗅覚」だとした。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は「非現実的な一連の出来事は、米国と北朝鮮の型破りな緊張緩和を際立たせた。両国は長い間、敵対関係にあるが、指導者同士は温かい個人的関係を築いている」と指摘。一方、非核化の具体的な進め方をめぐって米朝間で「大きな隔たりがある」とも伝えた。3回目の米朝首脳会談について、北朝鮮の非核化につながるか懐疑的な見方も出た。CNNテレビに出演したジョセフ・ユン前北朝鮮担当特別代表は「トランプ氏が何を達成しようとしているのか現時点で、はっきりしない。なぜなら、北朝鮮への関与が続けられてきたが、北朝鮮の核兵器やミサイルの備蓄量は減少していないからだ」と述べ、先行きを慎重に見守る立場を示した。
(ワシントン 山崎洋介)