米中間選挙、民主が下院過半数へ優勢


上院は共和が多数派維持か

 トランプ米大統領の約2年間の政権運営に対する初の審判となる中間選挙は6日、投開票が行われる。下院では、終盤にきて与党共和党が追い上げを見せつつも、野党民主党が依然、過半数奪還に向け優勢とみられる。一方、上院は、共和党が多数派を維持するとの見方が強まっている。

 中間選挙は、現職大統領の「信任投票」の意味合いが強いことから、結果を占う上で、大統領支持率が大きな目安とされる。政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」によると、1日時点のトランプ氏の支持率は各種世論調査の平均で43・9%と、約40%で低迷していた先月中旬と比べると若干、持ち直している。

 最新のRCPの予測によると、全435議席が改選される下院では、民主党が203議席、共和党が195議席をそれぞれ獲得する見通しで、残る37議席が接戦とされる。先月は、民主党が最大で17議席リードしていたが、そこから共和党が巻き返した形だ。

 ただ、トランプ氏への不支持が強い高学歴層が多く住む都市郊外の接戦区で攻勢を強める民主党が、下院の過半数を獲得する可能性が依然高い。

 選挙予測に定評があるウェブサイト「ファイブサーティーエイト」は、1日夜の時点で下院で民主党が過半数を獲得する確率を85%と分析。また、バージニア大政治センターのラリー・サバト所長が運営する選挙情報サイトでは、1日時点の予測で、民主党が多数派奪還に必要な25議席を上回る30前後の議席増を見込んでいる。

 一方、上院(定数100)は、共和党が過半数を維持する見通しが高まっている。トランプ氏が連邦最高裁判事に指名した保守派のブレット・カバノー氏の承認を民主党が抵抗したことから、共和党を支持する保守派の反発を招いたことが背景にある。

 今回、上院の改選35議席のうち、民主党は26議席を占めるが、このうち5議席は、トランプ氏が2016年の大統領選で20%以上の得票率の差をつけ勝利した保守色の強い州だ。

 選挙情勢分析会社「クック・ポリティカル・リポート」は、こうした保守地盤のノースダコタ州選出で、カバノー氏の承認に反対票を投じた民主党現職が「敗北に向かいつつある」と指摘。同党の上院での過半数獲得がより困難になったとした。

(ワシントン山崎洋介)