米国防費、6兆円増額へ
トランプ氏 「安保の予算」強調
トランプ米大統領は27日、3月半ばに議会に提出する2018会計年度(17年10月~18年9月)予算教書で、国防費を540億㌦(約6兆円)増額する方針を明らかにした。前年度比で約1割増となる。トランプ氏は「公共の安全と安全保障の予算になる」と強調。米軍再建を目指す姿勢を一層鮮明にした。
トランプ氏は州知事らとの会合で、「必要な時には戦争に再び勝たなければならない」とし、「劣化した米軍を立て直すために国防費を歴史的に増やす」と表明。インフラ投資についても大幅に増額する考えを示した。
マルバニー行政管理予算局長官は記者会見で、国防費の増額で軍の再構築や核能力の回復を目指すと説明。ロイター通信によると、米政府は増額分で南シナ海やホルムズ海峡での軍事プレゼンス拡大も目指す方針だ。
ホワイトハウスは27日、国防費を6030億㌦(約68兆円)、非国防費を4620億㌦(約52兆円)とする予算案を各政府機関に通知。議会には3月16日までに予算の概要を提案する。
国防費の増額分は国務省や米環境保護局(EPA)の予算削減などで相殺する方針で、米政府は財政赤字は増えないと説明している。
オバマ前政権下では国防費の削減が続いていたが、トランプ氏は大統領就任直後に発表した政策方針で、国防費の強制削減措置を撤廃する考えを示していた。
トランプ氏は28日に連邦議会で開かれる上下両院合同会議での演説で、予算案に関する経済政策について説明するとみられる。
(ワシントン岩城喜之)