米国務長官 中国に「責任負わせる」
人権弾圧 国際ルール無視
ブリンケン米国務長官は5日、楊潔篪共産党政治局員と電話会談し、米国は同盟国などと連携して、「台湾海峡全体を含むインド太平洋の安定を脅かし、ルールに基づく国際秩序をないがしろにする中国の取り組みに責任を負わせる」と強調し、厳しい姿勢で臨む立場を示した。米国務省が発表した。
米中外交トップ 初の電話会談
ブリンケン氏は電話会談で楊氏に、「米国が新疆ウイグル自治区、チベット、香港などの人権と民主的価値を支持し続ける」と訴えた。また同氏はツイッターに「米国は国益を守り、民主的価値観を支持し、中国による国際的な枠組みの悪用について責任を負わせることを明確にした」と投稿した。
同盟国などとの連携を強化し、中国に国際ルールの順守を求め、人権問題で圧力をかけるバイデン政権の姿勢を明確に示した形だ。
中国国営の新華社通信によると、楊氏は「互いの核心的利益や政治体制を尊重すべきだ」とした上で「香港、新疆ウイグル自治区、チベット関連の問題はすべて中国の内政であり、いかなる外力による干渉も許さない」と主張。また、台湾問題については「中国の主権と領土保全」に関わる問題だとして反発した。
一方で楊氏は、トランプ前政権の対中強硬政策を念頭に「米国は一定期間にわたって犯した過ちを是正」すべきだとして、協力関係を築くよう促した。
ブリンケン氏は、ミャンマー国軍によるクーデターを非難する国際社会の取り組みに加わるよう要求。これに対し楊氏は、「国際社会はミャンマー問題を適切に解決するための良好な外部環境をつくり出すべきだ」と述べ、これまで通り国軍への批判を避けた。
(ワシントン 山崎洋介)

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