トランプ氏 再投票へ戒厳令検討か


 米ニューヨーク・タイムズ紙などは20日、トランプ大統領がホワイトハウスで大統領選の結果を覆す方法について18日に会議を開き、戒厳令を発動し、選挙をやり直す案が話し合われたと報じた。

 会議の場で戒厳令を提案したのは、11月にトランプ氏によって恩赦を与えられたフリン大統領元補佐官だという。フリン氏は先週、保守系メディア「ニュースマックス」への出演中に、トランプ氏に戒厳令を発令し、選挙を「再実施」するために軍隊を配備するように求めた。

 会議中、トランプ氏はその考えについて尋ねる場面があったが、CNNによると、トランプ氏がそれを実行に移すかは不明だが、フリン氏が主張を提起するのを止めることはしなかったという。

 メドウズ大統領首席補佐官らが強く反発し、シポローネ法律顧問は、戒厳令について憲法上の権限はないとトランプ氏に指摘。出席者同士が激しい口論になり、怒号が飛び交う場面もあったという。

 一方、トランプ氏はツイッターで戒厳令について検討したとの報道について「偽ニュース。悪意のある報道だ」と否定した。

 戒厳令の下での再投票の呼び掛けは、1日付米紙ワシントン・タイムズに掲載された全面広告で行われたもので、フリン氏は、これに賛意を表明。その後、保守派の間で取りざたされていた。

 また、会議では、大統領選で不正があったと主張してきた元連邦検察官のシドニー・パウエル弁護士を選挙不正について調査する特別検察官に任命する案も話し合われた。トランプ氏の弁護団は、パウエル氏と一時距離を置いていたが、トランプ氏は他のメンバーにパウエル氏のように戦うように促すとともに、同氏を特別検察官に充てる案を推した。

(ワシントン 山崎洋介)