開票集計めぐり長期化も 米大統領選

トランプ陣営 法廷闘争へ
バイデン氏 過半数に自信

 開票作業が続く米大統領選で4日、民主党のバイデン前副大統領(77)は、激戦州の中西部ウィスコンシン、ミシガンを制した。一方、共和党のトランプ大統領(74)の陣営は同日、接戦州で集計中止などを求める訴訟を相次いで起こした。集計をめぐり、結果判明まで長期化する可能性も出ている。

バイデン前米副大統領(左)とトランプ大統領(AFP時事)

バイデン前米副大統領(左)とトランプ大統領(AFP時事)

 米メディアによると、これまでに獲得した選挙人の数はトランプ氏の214人に対し、バイデン氏が253人。当選に必要な過半数の270人まで残り17人に迫った。

 バイデン氏は地元の東部デラウェア州で「票の集計が終われば、われわれが勝者になると信じている」と述べ、勝利に自信を示した。

 4日早朝の時点で残る激戦州は五つあるが、そのうち西部アリゾナ州(選挙人11人)、同ネバダ州(同6人)でバイデン氏が優勢で、同氏がこの2州を押さえれば、過半数に達する。

 一方、トランプ陣営は、中西部ミシガン州と東部ペンシルベニア州で陣営スタッフによる集計の監視が拒否されたなどとして、集計作業を止めるように提訴した。また南部ジョージア州でも、投票日を過ぎて到着した郵便投票に偽造用紙が紛れ込んだ可能性があるとして、提訴。

 このほか、ウィスコンシンでは開票過程で「不規則な動きがあった」として再集計を求めた。

一般投票

 

 トランプ氏はこの日、ツイッターへの書き込みで、激戦州で当初自身がリードしていたが、「投票用紙の塊が集計されると魔法のようにリードが消えた。非常に奇妙なことだ」と主張し、不正の可能性を示唆した。

 今回は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、郵便投票は史上最多の6500万人以上となった。集計の遅れに加え、法廷闘争に発展したことで、決着まで長期化する見通しも出てきた。

 米紙ニューヨーク・タイムズの集計によると、バイデン氏の全国得票は7000万票に達し、2008年のオバマ前大統領の記録を超え、過去最多となった。トランプ氏も約6700万票となり、4年前に獲得した約6300万票を上回った。

(ワシント ン山崎洋介)