共和党大会 トランプ氏が指名受諾演説


 米大統領選に向けた共和党全国大会は最終日の27日、大統領候補に指名されたトランプ大統領(74)が、ホワイトハウスで指名受諾演説を行った。トランプ氏は、今回の選挙を「アメリカンドリーム」と「社会主義的政策」の選択と位置付け、左派勢力から米国の価値観を守り、「米国をこれまで以上に偉大にする」と訴えた。

 トランプ氏は、2期目の方針として「史上最高の経済を構築し、完全雇用や収入増を実現させ、すべての脅威から米国を守る」と表明。米国を「製造業の超大国」にし、医療サプライチェーンを海外から国内に戻し、減税と規制緩和を進めると主張した。新型コロナウイルスの感染拡大を収束させ、今後10カ月で1000万人の雇用を創出することも誓った。

 トランプ氏は、民主党大統領候補のバイデン前副大統領(77)を「社会主義のトロイの木馬」と断じ、党内左派が影響力を強める中、バイデン氏が大統領に就任すれば、4兆㌦の増税により経済が崩壊すると警告。今回の選挙について「米国の価値観を守るのか、過激な運動がそれを完全に破壊するのを許すのかを決めるものだ」と強調した。

 トランプ氏はまた、人種差別問題をめぐって一部の都市で暴力的な抗議活動が起きる中、バイデン氏は法執行機関の予算削減を進めると主張。今回の選挙が「法を遵守(じゅんしゅ)する米国民を守るのか、それとも暴力的な無政府主義者や扇動者、犯罪者に自由な統治を与えるかを決める」と訴えた。

 トランプ氏は強硬姿勢を強める対中国政策について、「ワシントンのインサイダーたちは中国に立ち向かわないように懇願してきたが、私は米国民に対する約束を守った。中国に対して米史上最もタフで大胆で、打撃を与える行動を取った」とアピール。バイデン氏が以前、中国の台頭を「前向きな発展」と発言したことを批判し、「バイデン氏が当選すれば、中国は米国を乗っ取るだろう」と断じた。

(ワシントン 山崎洋介)