トランプ氏の「替え玉受験」主張-めいの暴露本
米報道官、「完全な偽り」と全面否定
トランプ米大統領のめいで臨床心理士のメアリー・トランプさんが来週出版する予定の「暴露本」が注目を集めている。米メディアによると、著書はトランプ氏が友人に金銭を払い替え玉受験したことにより大学に入学したなどと主張。一方、ホワイトハウスは内容を全面的に否定したほか、事実関係に疑問も投げ掛けられている。(ワシントン・山崎洋介)
著書の中でメアリーさんは、トランプ氏が「偽りの人生を歩んできた」と批判。トランプ氏がペンシルべニア大学ウォートン校に編入するため友人だった故ジョー・シャピロ氏に金銭を支払って大学進学適正試験(SAT)で「替え玉」になってもらったと主張した。
一方、シャピロ氏の妻はこれについてネット上に動画メッセージを投稿し、「夫がトランプ氏と最初に出会ったのはペンシルベニア大学だった」と大学時代に知り合ったと述べ、トランプ氏の同大編入前からジョー・シャピロ氏が友人だったとする著書の事実関係の食い違いを指摘した。
著書ではまた、メアリーさんの父でトランプ氏の兄であるフレッド・ジュニア氏が死去した際には、トランプ氏は病院に行かず映画を見に出掛けたと非難。こうした態度は、トランプ氏の父が「ソシオパス(反社会的人格)」だったことの影響によるものだとの分析をしている。
ホワイトハウスのマシューズ副報道官は声明で、「トランプ氏は父と温かい関係であり、とても良くしてくれたと話している」と反論。替え玉受験についても「不合理」で「完全な偽り」であると否定した。
本の内容はメアリーさん自身の記憶や家族から言われたことのほか、法的文書、銀行取引明細書、納税申告書などに基づいているという。著書をめぐっては、別の親族が出版差し止め訴訟を起こした。