新型コロナ 武漢研究所から流出、トランプ大統領「理にかなう」


 

発生源解明へ本格調査

 新型コロナウイルスが中国の武漢ウイルス研究所から流出した疑いが高まっているとされる問題で、トランプ米大統領は17日、同研究所からの流出が「理にかなっているようだ」との認識を示した上で、「多くの調査に取り組んでいる。われわれは真相を突き止めるだろう」と述べ、真相解明に向け本格的な調査を進めていることを明らかにした。

 トランプ氏は、ホワイトハウスの会見で、新型コロナウイルスはコウモリから発生したとされるが、「そのコウモリはその地域におらず、(当初発生源とされた)海鮮市場でも売られなかった」と指摘。ウイルスの起源について「怪しい点が多くある」と強調した。

 FOXニュースによると、米諜報(ちょうほう)機関は同研究所とウイルスの起源について情報収集を進め、事実関係の詳細を時系列で明らかにしようとしている。その後、調査結果はホワイトハウスに提出され、新型コロナ感染拡大について中国にどう責任を取らせるかについての対応を決めるという。

 同ニュースによると、米当局と諜報機関は、コロナウイルスが中国国内で人工的に作られた生物兵器である可能性を現時点で排除している。また、ウイルス流出は、コウモリを用いて抗ウイルス剤とワクチンの開発に取り組んでいた同研究所の石正麗氏の研究室で起きた疑いがあるという。

 一方、ポンぺオ米国務長官は同日、ラジオ番組のインタビューで、ウイルスの起源について「われわれは、中国共産党が、武漢ウイルス研究所から流出したものか検討したことを知っている」と述べ、中国が初期段階で同研究所を調査していたと指摘。その上で「最も重要なことは、世界の科学者が同研究所に行って、何が起こったのか評価することを許可していないことだ」と述べ、隠蔽(いんぺい)を図っている可能性を示唆した。

(ワシントン 山崎洋介)