慰安婦像、背後に親北団体


韓国・釜山 反日煽り日韓分断狙う

昨年末、釜山日本総領事館に面した歩道に設置された、いわゆる従軍慰安婦を象徴する像の設置や管理をめぐり、親北朝鮮路線の市民団体が中心的役割を担っていることが分かった。韓国の反日世論に便乗し、北朝鮮が主張する反日・反米路線に呼応する親北勢力の実態が改めて浮き彫りになった形だ。

少女像

韓国・釜山の日本総領事館に面する歩道に設置された慰安婦像。傍に貼られた横断幕には問い合わせ先として「未来世代が建てる平和の少女像・サポーターズ」の電話番号が記されてあったが、実際には「キョレハナ」という親北団体だった 6日、森啓造撮影

 慰安婦像のすぐ横にある地下鉄1号線草梁駅のエレベーター地上口には「少女像を守ってください」などと記された横断末が張られている。そこに問い合わせ先として記された「未来世代が建てる平和の少女像・サポーターズ」の電話番号に連絡すると、職員らしき男性が「はい、キョレハナ(民族は一つ、の意)です」と出た。

 「キョレハナ」の正式名称は社団法人「ウリキョレハナテギ(私たち民族が一つになる)運動本部」。「キョレハナ」の釜山支部である「釜山キョレハナ」は釜山慰安婦像建立に向けた募金活動などに深く関わり、団体内に事務局を設置。像設置後は管轄自治体である釜山市東区庁との協議、像管理に向けた防犯カメラ設置、像の法的・制度的設置根拠作りなどで中心的役割を果たしている。

 「キョレハナ」は2005年に設立され、同年9月の仁川アジア陸上大会に選手団と共に派遣された北朝鮮の女子学生応援団との民間交流を主催するなど、南北交流を手放しで歓迎する典型的な韓国親北団体として知られる。

 ホームページには2010年の北朝鮮による韓国哨戒艦撃沈事件を受けて李明博政権が実施した対北制裁「5・24措置」の解除を求める内容が目に付く。

 その後、李明博・朴槿恵両保守政権で南北交流が事実上途絶えると、「歴史認識の歪曲(わいきょく)や軍事大国化をもくろむ日本を非難する反日や反米へ路線転換した」(尹ヨンジョ釜山キョレハナ政策局長)という。

 親北団体が反日・反米運動に加担する理由について北朝鮮の対韓国工作に詳しい柳東烈・元韓国警察庁公安問題研究所研究官は「韓国が日米との関係を断つことによって韓国を自分たちの手中に収めようという南朝鮮革命に向けた北朝鮮の金日成主席教示に従ったもの」と指摘した。

 在ソウル日本大使館前の慰安婦像を囲んだ毎週水曜日の反日デモを主導する左派市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」にも親北派が関わっているとする疑惑がある。強硬路線の親北団体がソウルに次いで釜山でも慰安婦像の背後で暗躍しているとすれば、日韓合意の履行はさらに遅れる恐れもある。

【釜山(韓国南東部)・上田勇実】