短期間の民泊を禁止
地球だより
シンガポール国会は2月上旬、短期の民泊禁止法案を可決した。
自宅の一室もしくは全部を旅行者などに貸す場合、宿泊期間は半年以上でなければならないと新法では規定。これを下回る期間の民泊は、都市再開発庁(URA)の許可取得を義務付けている。
ホテル代が隣国マレーシアや他の東南アジア諸国と比べて高額なシンガポールでは、これまで仲介サイトを活用した民泊が急増していた。観光客は格安でしかも、市民生活を満喫できるメリットの恩恵を享受してきたが、近隣住民は生活の場に突然、出現した外国人観光客に戸惑いとともに騒音などに悩まされるなど、迷惑や苦情が絶えなかった経緯がある。
今回の可決された短期民泊禁止法案は、そうした住民の訴えが聞き入れられたものだが、新法では賃貸する民間集合住宅の居住者数の上限を従来の1戸当たり8人から6人に引き下げた。6人を超える場合は「ドミトリー(宿泊施設)」と見なされ、URAから認可を受けることが必要となる。
これでアパートを借りて、多人数でシェアする出稼ぎ組の宿泊代節約が消えるかどうかはまだ不明だが、旅行費を切り詰めないといけないバックパッカーが敬遠するようになることだけは確かだ。
(T)