台日関係の継続発展を期待
台湾特集
台北駐日経済文化代表処 沈斯淳代表
馬英九総統2期目就任3周年特集に寄せて
馬英九総統は、2008年に総統に初当選し、2012年に再選され、この5月20日、2期8年間の任期の最後の1年に入りました。この間、台湾社会はますます成熟し、政府が取り組んできた政策も実を結びつつあります。
台湾と日本は自由、民主主義、法治、人権などの価値観を共有しており、地理的、文化的、歴史的にも深い縁があります。馬総統は就任以来、台日関係を「特別パートナー関係」と位置付け、経済貿易・観光・文化・青少年など、さまざまな分野の交流強化に力を入れ、これまで25項目の取り決め・覚書に調印しました。
2011年に台日間のオープンスカイ(航空自由化)が実現して以来、双方の人的往来は急速に増加し、交通部の統計によると、台日間の定期便の往来は2011年に毎週256便だったのが、昨年は毎週456便にまで増加しました。また、昨年の台湾から日本への旅行者数は約297万人で、台湾が訪日外国人旅行者のトップとなり、日本から台湾への旅行者数も約163万人で、相互往来者数の500万人突破も夢ではありません。
青少年交流については、相手の国で仕事を経験しながら文化や生活を学ぶことができる「台日ワーキングホリデー制度」が2009年に始まり、昨年10月からは、この発給枠が従来の年間2000人から5000人へと大幅に拡大されました。
また、台湾国際教育旅行連盟総会の統計によると、2014年に台湾から202校、7847人の生徒が修学旅行で日本を訪れました。日本の学校からは同時期、120校、1万7715人が修学旅行で台湾を訪れており、いずれも増加の一途をたどっています。
台湾にとり日本は第3の貿易パートナー、日本にとり台湾は第4の貿易パートナーであり、昨年の台日間の貿易総額は616億米㌦に達しました。今後は、二重課税を回避するための「租税協定」や、経済貿易関係をより一層円滑にしていくための「経済連携協定」(EPA)の調印を目指し、引き続き合意できるものから積み上げていく方式を推進してまいる所存です。
また、台湾は「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)および「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)といった地域経済統合への参加も目指しており、引き続き日本の支持を期待しています。
文化交流については、昨年、東京国立博物館と九州国立博物館で「台北国立故宮博物院-神品至宝」展が開催され、65万人を上回る来場者がありました。これに続いて、今年末にオープンする国立故宮博物院南部分院では、来年秋より東京・九州国立博物館精品展の開催が予定されています。
また、宝塚歌劇団が一昨年の台湾初公演に続き、今年8月に再び台湾で公演を行います。そのほか、来月にはバラエティーに富んだ台湾文化を日本に紹介する「台湾文化センター」が東京・虎ノ門に移転オープンします。このような双方向の文化交流を通して、台日間の友好感情がますます深まることと確信しています。
これらの良好な基礎の上に、台日関係をより一層強化していくため、今後も日本の各界との交流および協力をさらに深めていきたいと思います。