台中、分断後初の閣僚級会談
経済関係円滑化に重点
馬英九総統は就任以来、中国に対して「不統、不独、不武」(統一せず、独立せず、武力行使せず)政策を取ってきた。政治問題は先送りしつつ、経済関係の発展を進めてきたのだ。12年に再選を果たしたのも、「中国との関係を安定的に発展させられるのは馬英九総統だ」との国民の判断が働いたものである。
2月に行われた台中閣僚級会談もこうした馬総統の方針に沿ったものだ。台湾の行政院大陸委員会の王郁琦主任委員と中国の国務院台湾事務弁公室の張志軍主任(ともに閣僚級)が南京で初会談した。これは1949年の分断以来初めてのことだった。
会談を「政治対話の入り口」と見る中国と異なり、台湾側はあくまでも台中の経済関係円滑化と信頼醸成に資するものと位置付けており、双方の思惑にはズレがある。
だが、台湾としては台中関係の「現状維持」方針を堅持しながら、閣僚級協議を行ったことの意義は大きい。