拉致被害者家族会結成から25年、進む世代交代
「即時一括帰国」を訴えるも解決見えず、長期化に焦りの声
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)が25日、結成から25年を迎えた。被害者の「即時一括帰国」を求めてきたが、解決の糸口が見えないまま、家族の高齢化や死去が相次ぎ、焦りの声も聞かれる。
家族会代表を務める横田めぐみさん=拉致当時(13)=の弟拓也さん(53)は、初代代表だった父滋さんから数え、3代目となる。「毎日心配し、苦しい時間の中で過ごしてきた。他界した方もおり残酷でならない。残された時間が無いということを痛切に感じる」と語る。
2020年には有本恵子さん=同(23)=の母嘉代子さんが94歳で、横田滋さんが87歳で亡くなった。家族会前代表で、田口八重子さん=同(22)=の兄、飯塚繁雄さんも昨年12月に83歳で死去。被害者の親世代で存命は2人となった。
めぐみさんの母、早紀江さん(86)は「小さかった男の子がこんなに大きくなっても救出のために動かなければならない。何と長い年月を過ごしたのだろうか」とむなしさを口にする。
田口八重子さんの長男で家族会事務局長の飯塚耕一郎さん(45)は「家族にとって節目は関係なく、一日一秒でも早く救いたいという気持ちだ。あまりに長くかかり過ぎている」と訴えた。
家族会は1997年、元北朝鮮工作員の証言から、横田めぐみさんの拉致疑惑が明らかになったことをきっかけに結成された。