高松塚古墳発見から50年、壁画を報道陣に公開


女子群像「飛鳥美人」などで知られる奈良県明日香村の国宝

高松塚古墳発見から50年、壁画を報道陣に公開

「飛鳥美人」として知られる高松塚古墳の壁画「西壁女子群像」=9日、奈良県明日香村(代表撮影)

 極彩色の女子群像「飛鳥美人」などで知られる奈良県明日香村の国宝、高松塚古墳壁画(7世紀末~8世紀初め)が発見されてから21日で50年を迎えた。文化庁はこれに先立ち、壁画が保存されている仮設修理施設の作業室内を10年ぶりに報道陣に公開した。

 壁画は1972年3月21日、県立橿原考古学研究所などの調査で発見された。カビが発生するなどの劣化が見つかり、文化庁は2007年に壁画が描かれている石室を解体。近くの仮設施設に運んでカビの除去や下地のしっくいの強化などを行い、20年3月に修復を終えた。

 作業室内は温度や湿度が一定に保たれている。一般公開では、作業室外の通路から窓ガラス越しに壁画を見学できる。

 同庁古墳壁画室の米村祥央さんは「修理は終わったが、非常に脆弱(ぜいじゃく)な状況は変わらない」と説明。今後、壁画の保存・展示施設が整備される予定だが、引き続き注意深く保存管理を続ける必要があるとの認識を示した。