好調な大栄翔、慌てずに本領を発揮しまた金星
休まず攻めて横綱照ノ富士に土、「あしたも気合入れて」
好調を自覚しているから慌てない。大栄翔は立ち合いで横綱に押し込まれたが、右を伸ばして距離を取った。タイミング良く体を開くと、左喉輪も使ってどんどん前へ。「休まず攻められた。勝てて本当にうれしい」。実直な実力者が、少しだけ表情を緩めた。
金星は通算四つ目で、照ノ富士からは新横綱だった昨年の秋場所以来となった。「胸を借りるつもりでやっている。自分でも勝てるのは不思議」。敗れても熱戦に持ち込むことが多く、第一人者にとっては油断ならない相手となっている。
重い突き押しを武器に昨年初場所で初優勝を遂げたが、以降は成績に波が目立ち、三役に定着できずにいる。本来の力量を考えれば、金星を喜ぶ立場でもなさそうだ。
土俵下で見た高田川審判長(元関脇安芸乃島)は、「久しぶりに期待できそう」と今場所を予想。初日の正代戦に続いて、上位を相手に本領を発揮している。3日目には新大関御嶽海に挑むが、「あしたも気合を入れて自分の相撲を取りたい」と大栄翔。その声にも力がみなぎっていた。