内村航平、現役引退イベントで大技を披露


仲間から胴上げ「幸せな体操人生」、後進の指導に意欲

内村航平、現役引退イベントで大技を披露

現役引退イベントで演技を終え、胴上げされる体操男子の内村航平=12日、東京体育館

 体操男子個人総合で五輪連覇や世界選手権6連覇を遂げた内村航平(33)=ジョイカル=が12日、東京体育館で現役引退イベントに臨み、全6種目の演技を披露した。会場を埋めた6500人のファンを前に、「本当に幸せな体操人生を歩ませてもらった。ここで終わりではなく、僕にしかできない技術の追い求め方を後輩たちに伝えていきたい」と語った。

 ゆかでは高さのある伸身3回ひねりなどの着地を何度も止め、あん馬やつり輪、平行棒は通常よりも技の数を減らして美しさを重視。跳馬は、試合では使ったことがないというひねり技を見せた。

 最後の鉄棒は手放し技の大技「ブレトシュナイダー」でバーをつかんだものの、車輪が戻るミス。着地は左足が1歩後ろに動いた。仲間に胴上げされて6度、宙を舞った内村は記者会見で「僕としてはみっともない演技だった。60点。終わった瞬間から全身が痛くて、やめてよかったと率直に思った」と話した。

 イベントでは、団体総合で金メダルに輝いた2016年リオデジャネイロ五輪でともに戦い、昨年引退した白井健三さん、昨夏の東京五輪で2冠の橋本大輝(順大)も演技し、内村の最後の舞台を盛り上げた。