国民民主、「トリガー条項」凍結解除を要請


ガソリン高を受け、与党と初の政策協議、公明も前向き

国民民主、「トリガー条項」凍結解除を要請

会談に臨む(左から)国民民主党の榛葉賀津也幹事長、自民党の茂木敏充幹事長、公明党の石井啓一幹事長=9日午後、国会内

 自民党の茂木敏充、公明党の石井啓一、国民民主党の榛葉賀津也各幹事長は9日、国会内で会談し、原油高対策を中心とする政策協議をスタートさせた。榛葉氏はガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除を改めて要請。石井氏は前向きな姿勢を示した。16日に再協議する。

 会談で榛葉氏は、ガソリン価格の急騰をめぐり「政府が打ち出した補助拡大だけでは足りない。凍結解除と合わせ(1リットル当たり)50円下げてほしい」と要求。新型コロナウイルス禍やウクライナ情勢を踏まえ、2022年度予算案成立後に原油高対策を含む10兆円規模の新たな経済対策を検討するよう求めた。家族を介護する「ヤングケアラー」支援なども提案した。

 凍結解除に関し、茂木氏は「自民党としても対応を検討したい」と慎重姿勢を崩さなかったが、石井氏は「利用者が実感できる対策だ。公明党も必要と認識している」と表明。同党内には「国民民主党だけの成果となる前に、早めに党の姿勢を示した方がいい」との声も出てきており、国民の提案に乗った形だ。

 3党の政策協議は4日の党首会談で決まった。国民は夏の参院選を控え、生活に直接関わる政策を実現し存在感をアピールする狙いがあり、原油高対策について「あらゆる選択肢を排除しない」とした岸田文雄首相発言を機に予算案の衆院採決に賛成した。

 石井氏は国民との連携について記者団に「榛葉氏は(会談で)『われわれは野党だから』と繰り返し言っていた」と強調。首相は3党の政策協議について「引き続き議論を行っていくと承知している」と首相官邸で語った。

 一方、立憲民主党の泉健太代表は記者団に「国民は自民党と戦うのか、取り込まれるのか問われている」とけん制した。