松本・防災ヘリ墜落5年、追悼式で安全を誓う
消防隊員ら9人が死亡、「悲しみを繰り返してはならない」
長野県松本市で県の消防防災ヘリコプターが墜落し、乗っていた消防隊員ら9人が死亡した事故は5日、発生から5年を迎えた。市内の公園で追悼式が開かれ、遺族や消防関係者ら約50人が、殉職した隊員らの冥福を祈った。
黙とうの後、消防防災航空隊の水崎厚史隊長(48)が慰霊碑の前で、「悲しみを絶対に繰り返してはならない。事故の教訓を風化させることなく、安全を第一に考えた活動を継続する」と誓いの言葉を述べた。昨年4月には新たな機体の運用が始まっている。
亡くなった隊員の高嶋典俊さん=当時(37)=の父俊郎さん(72)は式典後、「長かったような短かったような5年。一日も息子のことを思い出さない日はなかった」と話し、航空隊に「安全をしっかり確認しながら活躍してほしい」と求めた。
式は県などが主催。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参列者を制限するなどした。
事故は2017年3月5日に発生。救助訓練中のヘリが同市の鉢伏山に墜落し、パイロットと整備士、消防隊員の計9人が死亡した。