オンラインサロンで悩みを共有、来月開設へ
大阪ビル放火事件から2カ月、クリニック元患者ら参加
17日で発生から2カ月となる大阪市北区の雑居ビルでの放火殺人事件をきっかけに、地元の障害者支援企業がオンラインサロンの開設準備を進めている。火元の「西梅田こころとからだのクリニック」の元患者らが専門家を交えながら、悩みや経験を共有できる場を目指すという。立ち上げは3月1日を予定している。
サロンは、軽度の発達障害があるスタッフらが運営し、就労相談や情報発信を行う「障害者ドットコム」(大阪市北区)が企画した。同社はクリニックから徒歩数分の距離にあり、犠牲者には支援していた人もいた。
代表の川田祐一さん(49)は事件について、「トラウマかもしれず、こちらからは(元患者らに)聞きにくい話」と明かす。ただ、不安を抱えていても相談できないと感じている人は少なくないといい、妻でスタッフの直美さん(49)は「話すことで気持ちが整理される。一人で悩まないで」と訴える。
サロンにはクリニックの元患者に限らず、孤独感などを覚える精神科の未受診者らにも広く参加を呼び掛ける。医師や心理士も参画し、転院先や福祉サービスの情報、仕事上の悩みや離別の悲しみなどもオンラインで語れる環境を整える。現在、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で参加者を募集中だ。
立ち上げを前に16日に開かれたオンライン記者会見には、事件で患者仲間を亡くした40代男性も参加。転院先を見つけるのに苦労した経験などを発信したいと訴え、「まずは自分が生きやすい環境をつくり、結果的に社会の役に立てればよい」と話した。