絵で伝える戦争体験、平和祈念展示資料館で


「自分と同じつらさを味わってほしくない」4月24日まで

絵で伝える戦争体験、平和祈念展示資料館で

斎藤邦雄さんが描いた絵に見入る来館者=2日、東京・西新宿の平和祈念展示資料館(村松澄恵撮影)

 言葉だけでは伝わらない戦争の悲しみを5人の戦争体験者が絵で伝える企画展「こどもと大人におくる戦争のおはなし」が、4月24日まで東京・西新宿の平和祈念展示資料館で行われている。

 兵士として中国で戦った後、シベリアに3年間抑留されたマンガ家の斎藤邦雄さんが描いた「シベリアの霊魂よ 故国日本へ還れ」(写真)は、シベリアの強制労働で亡くなった人々が魂となって、笑顔で帰郷する様子を描いている。担当者は「死んだ戦友たちへの追悼と慰霊の想いマンガとして描かれている」と解説した。

 同じく中国で従軍し、シベリアに1年8カ月間抑留された上河辺長さんの「怨念 屍(しかばね)捨て」は掘った深い穴に、仲間の遺体を運んで埋める様子が描かれている。全ての作品に共通するのは「自分と同じつらさを味わってほしくない」という願いだ。

 同資料館を時々訪れるという練馬区在住の86歳女性は「戦争は私が生きている中であったこと。過去と今がつながっていることを感じてほしい」と語った。