御嶽海、大関昇進の晴れ舞台に両親も駆けつけ


「天下無双」雷電以来の新大関、故郷の長野県から祝福の声

御嶽海、大関昇進の晴れ舞台に両親も駆けつけ

笑顔で撮影に応じる(左から)父の大道春男さん、御嶽海、母のマルガリータさん=26日、東京都墨田区の出羽海部屋(代表撮影)


 
 大相撲で御嶽海関(29)=本名大道久司、長野県出身、出羽海部屋=の大関昇進が決まった26日、昇進伝達式が行われた東京都墨田区の出羽海部屋には両親も駆け付けた。

 長野県からは、江戸時代に活躍し、「天下無双」の力を誇った雷電以来の新大関。息子の晴れ姿に、父の大道春男さん(73)は「部屋の皆さんに大きく育てていただいて感謝している」と、感慨もひとしおの様子だった。

 23日の初場所千秋楽を東京・両国国技館で観戦した母のマルガリータさん(51)は、直接会うのは「2年ぶり」と言う。看板力士としての重圧とも闘う日々を迎えるが、「けがをしないように祈っている」と、孝行息子の活躍と健康を望んだ。

 ◇故郷も祝福

 故郷からも祝福の声が上がった。中学時代の恩師、安藤均さん(63)は「本当にすごいことを成し遂げた」と感服する。

 中学校の石碑に刻まれた「自分の持ち味をいかせよ」という文言が口上で述べられた時は、「(地元で学んだことを)今も忘れないで持っていてくれたんだな」と、オンライン中継の画面越しに思わず涙。「歩みを止めず、勇気や感動を与え、さりげない優しさを持つ力士であってほしい」と期待を寄せた。

 出身地の上松町では、大関昇進の祝砲が放たれたという。大屋誠町長は「3度目の優勝に花を添える昇進。大変うれしく思う」。コロナ禍で地域経済が冷え込む中での吉報に「町全体が明るくなった。個人という小さな光だが、地域や日本全体を照らしてほしい」と晴れやかな口調で語った。