複数科目の解答依頼か、共通テストが流出
「スカイプ」通し大学生に依頼「ネットで調べ早く答えて」
大学入学共通テスト初日の地理歴史・公民の試験中に「世界史B」の問題が流出した事件で、試験問題の画像を送った高校2年生を名乗る人物が、大学生らに国語など複数科目の解答を依頼していたことが26日、関係者への取材で分かった。「インターネットなどで調べ可能な限り早く解答を」とせかすような様子も見せていたという。
世界史Bの問題を受け取った男子大学生によると、高校2年生を名乗る人物とは昨年12月、家庭教師仲介サイトで知り合った。
今月12日、「世界史と現代文の体験授業(今回はテスト)をお願いすることになりました」とインターネット電話「スカイプ」で連絡があり、15日朝に「今日のテストはネットなどで調べながらでも大丈夫です。可能な限り早く正しく解答を導き出してください」とメッセージを受け取った。
地歴公民の試験は15日午前9時半~11時40分に実施。大学生が午前11時5分ごろ、「問題は送ってもらえるのか」とスカイプで質問をしたところ、3分後にこの人物から世界史Bの問題の画像が送られてきた。解答を返したが、「ありがとうございます」とのメッセージがあっただけで、同日午後の国語の試験時間になっても連絡はなかった。
大学生は「この人物の世界史(の解答)を担当した人はほかにもいた。その人から指摘され、現代文では連絡を絶ったのではないか」と話した。
関係者によると、この人物は翌16日の数学でも、別の登録者に「あしたはよろしくお願いします」と解答を依頼していたとみられる。
大学入試センターから相談を受けた警視庁は偽計業務妨害容疑で捜査を始めており、この人物の特定などを急いでいる。