御嶽海、光った気迫、阿炎との2敗対決制す
一歩も下がらず圧力かけ攻め切る、照ノ富士と賜杯争いへ
2敗同士がぶつかった注目の一番。賜杯争いに踏みとどまったのは御嶽海だった。阿炎のもろ手突きからの攻めにあてがって前進。たまらず相手が引いたところで難なく勝負をつけた。
3場所の出場停止などの処分を経て、見違えるような取り口で幕内に戻ってきた阿炎。終盤まで照ノ富士と優勝を争った先場所の勢いそのままに白星を重ねてきたのに対し、先頭を走ってきた御嶽海は10日目に初黒星を喫し、3日間で2敗。まさに正念場と言えた。
重要な局面で一歩も下がらずに足を出し、圧力をかけ続けた。その姿に、八角理事長(元横綱北勝海)は、「きょうは勇気があった」と褒めた。雑念を捨て、存分に持ち味を発揮した攻めに、「以前は負けたら、投げやりになったところもあったが、何とか頑張ろうという気持ちが見えている」。気迫で追い込んだ。
千秋楽では照ノ富士への挑戦が確実で、大関への道が一気に開ける可能性がある。珍しく、勝っても取材に応じなかった御嶽海。残り2日へ、集中力を高めているようだった。