野球漫画「ドカベン」作者、水島新司さん死去
享年82、「あぶさん」など野球漫画の第一人者として活躍
「ドカベン」「あぶさん」など人気野球漫画で知られた漫画家の水島新司(みずしま・しんじ)さんが10日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。82歳だった。新潟市出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻修子(しゅうこ)さん。
幼少期から漫画に親しみ、1958年にデビュー。70年、剛球投手を主人公にした「男どアホウ甲子園」がヒットし、人気漫画家の仲間入りを果たした。 高校球児の青春を描いた「ドカベン」は72年に連載開始。個性豊かなキャラクターや躍動的な画風が際立ったシリーズは、世代を超えて多くの野球ファンに親しまれた。5シリーズにわたり、2018年まで46年間描き継がれた。変化球を巧みに操る女性投手がプロ野球で活躍する「野球狂の詩(うた)」、酒豪の強打者・景浦安武を主人公に40年以上連載が続いた「あぶさん」などヒット作を連発し、野球漫画の第一人者としての地位を確立した。
水島さん自身もプロ野球の南海ホークス(後にダイエー、現ソフトバンク)の大ファンとして知られた。「ドカベン」の主人公・山田太郎に風貌が似ていることで人気を集めた故香川伸行さんらプロ野球選手にもファンが多かった。
小学館漫画賞、講談社出版文化賞など多数の漫画賞を受賞。2005年には紫綬褒章を受章した。