「ようやく勝てた」37歳玉鷲が決意の金星


23連勝中の照ノ富士を破る、「若手に負けない気持ち」

「ようやく勝てた」37歳玉鷲が決意の金星

照ノ富士(手前)は玉鷲に突き落としで敗れる=14日、東京・両国国技館

 いつも明るい玉鷲が、普段に増して朗らかな表情を見せた。大関正代に続き、23連勝中の照ノ富士も破る殊勲星。2019年夏場所以来となる金星を奪って5勝目を挙げ、「よかった。ようやく勝てた」。

 最近は、土俵際まで押し込みながら照ノ富士に勝てず、「止まったら下からもう一度当たっていこう」と心に決めていた。この日は、立ち合いから一気に喉輪で押し込んだ。反撃しようとする相手をもう一押しして、いなすように突き落とし。胸中を問われると、「(映像で)見直してから実感したい」。

 幕内で最年長の37歳。難攻不落の横綱に土をつけ、金星獲得の年長記録では昭和以降の新入幕で6番目となった。「若手に負けない気持ちでいられるようにしている」と、精神面の充実を口にし、自慢の馬力も全く衰えない。「師匠の教えを素直に聞くことが大事」と、謙虚さを忘れず稽古場に立っている。

 19年の初場所で初賜杯を抱いている。「昔のことなので忘れました」とはぐらかしたが、まだまだ場所を盛り上げそうだ。