「水で膨らむボール」、乳幼児誤飲で開腹手術も


国民生活センターが注意呼び掛け、誤飲事故が相次ぐ

「水で膨らむボール」、乳幼児誤飲で開腹手術も

直径3㌢に膨らんだ樹脂製玩具。生後11カ月男児の小腸内で見つかった(国民生活センター提供)

 水で膨らむボール状の樹脂製玩具を乳幼児が誤飲する事故が相次いでいるとして、国民生活センターが注意を呼び掛けている。

 腸閉塞を起こして開腹手術に至ったケースもあり、「子供が容易に持ち出せない場所に保管して」と訴えている。

 国民生活センターによると、この玩具は製品の重さの100~1000倍の水を吸収して膨らむ高吸水性樹脂製。吸水するとゲル状になる性質があり、圧力をかけても元に戻りにくい。インテリアや衛生用品としても売られているという。

 センターに報告があった事例では、昨年6月、生後11カ月の男児が嘔吐(おうと)し、病院で腹部のコンピューター断層撮影(CT)検査をしたところ、腸がふさがれていることが分かった。開腹手術をすると、小腸内に直径約3㌢に膨らんだ製品が見つかった。年上のきょうだいと遊んでいた際に誤ってのみ込んだ可能性があるという。昨年は同様の事故が他に2件報告された。

 センターは「誤飲の疑いがある場合は速やかに医療機関の受診を」と呼び掛け、製品の対象年齢以下の子供がいる家庭では、購入を控えることも検討するよう促している。