「まん延防止」初日、観光地や繁華街「厳しい」
広島・山口・沖縄の3県で9日から適用、3連休も客足鈍る
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、9日から「まん延防止等重点措置」が適用された広島、山口、沖縄の3県。観光地や繁華街は連休にもかかわらず人出が少なく、休業する店も。「厳しい」「またか」と影響を懸念する声が聞かれた。
世界遺産の厳島神社がある宮島(広島県廿日市市)。土産物店を経営する佐々木健一さん(44)は「正月休みが短かった分、この3連休に期待していたのに」と落胆した様子。観光支援事業「Go To トラベル」も再開されず、「『またか』という思いが強い。(政府には)支える政策をやってもらわないと」と危機感をあらわにした。
島の対岸にある安芸グランドホテル(同市)でも、修学旅行や新年会の予約キャンセルが相次いだ。支配人の三池和道さん(44)は「対策は仕方ないが、繁忙期の春休みまで長引かないといい」と心配そうに話した。
山口県岩国市では、9日に予定されていた成人式が延期に。観光名所の錦帯橋で家族と記念撮影していた女性(20)は「同窓会も中止になった。もう少し早く分かっていれば」と残念そう。米軍岩国基地に近い繁華街で喫茶店を営む山根茂男さん(73)は「誰が悪いとかじゃないけど、厳しい」と肩を落とした。
那覇市中心部の繁華街は人影もまばらで、シャッターを下ろした店も目立つ。時短営業の要請に応じた沖縄料理店の女性経営者(49)によると、年末年始には回復していた客足が急速に遠のいた。女性は「休ませている店員4人の給料は払わねばならず、貯金を切り崩す生活が続く」と表情を曇らせた。
感染対策の基準を満たした認証店に支給される協力金の額が非認証店よりも少なくなるため、県内では認証を辞退する店も出ているという。女性は「不満を言っても仕方ないが、飲食店仲間は皆不満を口にしている」と明かした。