国際研究チームが発表、「渦状紋」の小指は長い
2万3千人の指紋を解析、手足の成長担う遺伝子が関与
小指の指紋が左右とも渦を巻くような「渦状紋」の人は小指が長い傾向があると、中国の復旦大や英エディンバラ大などの国際研究チームが8日までに発表した。中国系や欧州系の約2万3000人について、指紋のパターンや手の形、遺伝子との関係を解析した成果で、論文は米科学誌セルに掲載された。
指紋は主に3パターンあり、渦状紋以外に緩いカーブの「弓状紋」と馬のひづめに似たU字形の「蹄(てい)状紋」がある。手の長さに対する小指の長さの割合をパターン別に調べたところ、両手の小指が渦状紋の人はそうでない人より長かった。
研究チームは、指紋の形成には胎児期に手足の成長を担う遺伝子「EVI1」が関与していることを発見。マウス実験で、この遺伝子が足で働いていることや、遺伝子を操作すると指の形や表面にある線状隆起のパターンが変わることを確認した。
人のDNAには指紋に関与する部分がこの遺伝子を含め、少なくとも43カ所あることが判明。指紋は個人ごとに違い、一生変わらないため犯罪捜査などに使われるが、研究チームはDNAから指紋を予測することはできないと指摘している。