新種巨大魚竜の頭骨化石を発見、全身17m超か
米2.4億年前の地層から発見、当時の四肢動物では最大級
米西部ネバダ州の約2億4600万年前(三畳紀中期)の地層から、魚竜の巨大な頭骨や前脚の化石が見つかり、新種に分類したと、ロサンゼルス郡立自然史博物館などの研究チームが24日付の米科学誌サイエンスに発表した。頭骨化石の長さは1メートル89センチで、全身の長さは約17・7メートル、体重は約44・7トンもあったと推定された。現代のマッコウクジラ並みの大きさで、当時の四肢動物では最大級だったという。
魚竜は爬虫(はちゅう)類の仲間だが、約2億5200万年前(ペルム紀末)に地球上の生物が大量に絶滅した後、陸上から海に進出して大型化した。陸上で爬虫類から直立歩行するよう進化した恐竜より、出現がやや早かったと考えられている。
この化石は魚竜のうち「キンボスポンディルス」属の新種「ヤンゴルム」に分類された。種名は発掘調査の支援者の名前から命名された。頭骨の三角の形状やとがった歯から、魚やアンモナイトを食べていたとみられ、他の小さな魚竜なども捕らえていた可能性がある。
魚竜は三畳紀からジュラ紀を経て、恐竜(鳥類を除く)とともに白亜紀で絶滅した。約6600万年前の白亜紀末にもあった生物の大量絶滅後、陸上で生き延びた哺乳類から海に生息するクジラが出現した。魚竜とクジラの進化過程は似ているが、大型化のペースは魚竜の方が圧倒的に速かったという。