大阪ビル放火から1週間「前通るたびつらい」


現場ビルには献花絶えず、クリニックの患者から悲痛な声

大阪ビル放火から1週間「前通るたびつらい」

放火殺人事件から1週間となり、現場のビルの前で手を合わせる男性=24日午前、大阪市北区

 大阪市北区のビル放火事件から1週間を迎えた24日、現場となった雑居ビルには献花や黙とうに訪れる人が後を絶たず、メッセージの書かれた色紙や千羽鶴も供えられていた。火元となったクリニックに通院していた患者からは「前を通るたびにつらくなる」と悲痛な声が聞かれた。

 昨年12月から通院していたという男性会社員(58)は「安らかにお眠りください」という思いで祈りをささげた。今月6日、亡くなった西沢弘太郎院長(49)の診察を受け、「ちょうど1年になりますね。もう少し様子を見ましょう」と言われたのが最後だった。

 男性は「ビルの前を通るたびにつらくなる。容疑者の動機は想像もつかないが、このまま死ぬのではなく、自分の口で話してほしい」と憤った。

 「現場に来るのが怖かったが、1週間たってようやく足が向いた」と献花に訪れたのは、大阪府茨木市の女性会社員(28)。事件のあった17日夜に受診する予定だったといい、「事件後はパニック状態で、職場で泣き崩れる毎日だった。西沢先生のおかげで今の私がある」と涙ぐんだ。

 容疑者は京都アニメーション放火殺人事件を参考に、ガソリンをまいて火を放ったとみられ、刃物や催涙スプレーも所持していたとされる。患者で神戸市の40代女性は「人間のできることなのか」と怒りをあらわにした。

 勤務先が近いという同府豊中市の会社員北西紗耶佳さん(42)も、娘(4)と一緒にクッキーを供えた。北西さんは「本当に何でこんなことが起こったんだろう」と沈痛な表情で話した。