京王線刺傷から1カ月、警察と鉄道が連携を強化
車内巡回を強化し合同訓練も実施、「見せる警備」が好評
東京都調布市を走行中の京王線車内で乗客17人が刺されるなどした事件は、間もなく発生から1カ月。電車やバスの利用者を無差別に狙う事件は被害防止の決め手がなく、専門家は「手荷物検査など大規模な対策も取りづらい」と指摘する。こうした中、警察や鉄道会社は駅や車内の巡回を強化。刃物が使われる事件を想定し、合同訓練にも力を入れる。
26日夕、東京メトロ門前仲町駅(江東区)では、警視庁深川署員が構内に立ち、足早に改札を通る利用客を見守っていた。同署は事件後、管内の複数の駅で制服姿の警察官を立たせる「見せる警備」を実施。「子供といることが多いので安心」(30代女性)と利用者からも好評だ。
同庁は1日、鉄道会社と連携した対策訓練の実施などを関係部署に指示。これまでに東武鉄道や小田急バスと合同で、刃物使用事件を想定した容疑者確保や、乗客の避難訓練が行われた。
京王電鉄は電車内の安全強化に向けた専門部署を設置し、全ての駅で職員による巡回も強化した。鉄道各社は車内の異変をリアルタイムで把握し、警察などと連携して即座に対応できるように、車両への防犯カメラの設置も進める方針だ。