兄弟死亡放火事件、普段は無かった父の送迎


殺人容疑などで伯父を逮捕、両親の不在を狙った犯行か

兄弟死亡放火事件、普段は無かった父の送迎

送検のため、兵庫県警加古川署を出る松尾留与容疑者=26日午前、兵庫県加古川市

 兵庫県稲美町で住宅が全焼し、小学生の兄弟が死亡した放火事件で、兄弟の父は普段、母を送迎していなかったことが26日、捜査関係者への取材で分かった。事件当日は父が車で職場に迎えに行っており、県警は殺人容疑などで逮捕された伯父の無職松尾留与容疑者(51)が、父母が共に外出するのを待っていた可能性もあるとみて詳しく調べる。

 県警は同日、松尾容疑者を送検した。捜査本部のある加古川署を出発した捜査車両の後部座席に座った松尾容疑者は、頭に深くフードをかぶり、表情はうかがえなかった。

 捜査関係者によると、父は19日午後11時半ごろ、仕事を終えた母を迎えに行くため車で外出。普段は母が自ら運転して通勤しているが、この日は何らかの事情で迎えに行った。

 家に残っていたのは就寝中の兄弟と、同居していた松尾容疑者のみで、父が外出してから5~10分後に火を付けたとみられる。

 松尾容疑者は自宅に火を付けて全焼させ、小学6年松尾侑城君(12)と弟の同1年真輝君(7)を殺害したとして逮捕された。調べに容疑を認め、「ガソリンで火を付けた」などと供述している。

 隣接する倉庫からは中身の入ったガソリン缶が見つかっており、県警は事件に使われた可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べている。